2011年10月5日水曜日

た行の不思議

初めて五十音を習ったときのことを未だに覚えている。
覚えているくらい物心付くまで文字を知らなかったということだ。
言葉はたくさん知っていた。毎晩お母さんが沢山の本を読み聞かせてくれて、沢山のおはなしを語ってくれたから。
義務教育が始まる年齢まで、文字という軛の外で、音のみの言葉世界をがっちり構築させてくれた両親には感謝している。
初めて知る五十音図は整っていてとてもきれいだったけど、不思議なところもいっぱいあった。
-どうして『や』行は3つなの?
-どうして『は』行だけ丸がつくの?
-どうして『た』行はタ・ティ・トゥ・テ・トじゃないの?
3つ目の疑問はもちろん『た』行だけの問題ではなく、なんでサ・スィ・ス・セ・ソじゃないのかとか、なんでファ・フィ・フ・フェ・フォじゃないんだとかいろいろあって、かなり大きくなるまで私の頭を悩ませたわけだが、わけても『た』行は解せなかった。なにしろ仲間外れの文字(と、その頃は呼んでいた)が1行の中に2つも入っているのだ。
たちつてと
タチツテト
訓令式ローマ字表記だと
ta ti tu te to
ヘボン式ローマ字表記だと
ta chi tsu te to
キリル文字表記だとこんな感じ?
та чи цу тэ то
音素で表記すると
/ta/ /ci/ /cu/ /te/ /to/
国際音声記号(IPA)表記だと
[ta, t̥ʃi, tsu, te, to]

...最後の方テキトーだから間違ってたら誰か指摘してください。
とにかく、た行における「ち」と「つ」の異質ぶりったらないわけですよ。
なぜ?どうしてこうなった?
というわけで、もう少し細かく、「ち」と「つ」について「音」と「意味」の観点から考えてみようと思う。
気が向いたら。

ところで、田舎のお父さんの友達が、確か、
「舘伝人」
というペンネームを使っていた。
「達伝人」
だったかな。