2011年12月27日火曜日

噂をすれば影


噂をすれば影
ある人の噂をしていると、不思議にその当人がそこへ来るものだということ。噂をすれば影が差す。
--大辞泉


양반은 못 된다.
>>양반[yangban](貴族)にはなれない
호랑이도 제 말 하면 온다.
>>トラの話をすればやってくる

Лёгок на помине
ex.
Вы легки на помине.
丁度あなたの噂をしていたところです。
>>日本語の意味とは違って、この言い回し自体はニュートラル。良い噂でも使う。

Talk/Speak of the devil.
Talk of the devil and he will appear.
Talk of the devil, and he is sure to appear.

同じシチュエーションでも、言語によって表現の仕方がこんなに違うのは「噂」というものに対する印象が違うからでしょうか?

2011年12月8日木曜日

ピシピシ

隣の席の人が、黒家電の取説のトラブルシューティングで、
『内部からピシピシという音がした場合』
の、『ピシピシ』の訳に頭を悩ましていた。
翻訳者がビンタとかの効果音として翻訳してきたらしい。
確かにピシッて平手とか、ムチとか、ある程度しなって打ち付ける音に使うよね。

でも、もちろんここで使われてるピシピシは、そうゆう打音ではなくて、固いものが軋む音。

何気なく使ってるけど、打音と軋む音って、音質似てる?実際に音の波形とか比較するとどうなんだろう?

軋む音と言えば、『ミシミシ』がメジャーだけど、こちらは木造家屋のような柔らかい素材が軋む印象がある。『ピシピシ』だともっと固くて、継ぎ目がしっかり接着してるものが軋む感じかな。精密機械や鉄筋建築が軋みをあげたときに使う。『ミシミシ』より鋭くて緊張感がある感じ。より音の伝導率が高い感じ。

別の翻訳者に聴いてみると、空気の抜ける音のことか、という問いが返ってきた。

それは『プスプス』だよね。
『ピシピシ』と『プスプス』て、基本、母音が違うだけ。
多分、ストレスアクセント系言語の話者にとってはほとんど同じに聴こえるこの二つ、でも、日本語ネイティブにとっては間違いようのない、明確な違いがある。

こうゆう擬音の感覚っていつのまに身に付けたのだろう?
不思議。

多分、日本語におけるオノマトペと実際の音響とかの物理作用の間には思うよりずっとシステマチックな構造が存在するだろうな。

だって、やみくもに暗記するには、日本語のオノマトペは膨大すぎる。

2011年12月1日木曜日

Caron shape in Czech and Slovak



---------------------------------------------------------------
Save for calling it "carka" you are correct. Slovak texts always prefer 
the "apostrophe" form for d, t, l, and L. We only use the other form 
(the one that looks like a raised v) when we use typewriters that do not 
have the "apostrophe" form but do have the caron, or when we write by 
hand (it somehow seems easier to write the little v than the "apostrophe"). 
----------------------------------------------------------------
Refference:
Letters d L l and t with caron
http://unicode.org/mail-arch/unicode-ml/y2001-m10/0328.html
Omniglot
http://www.omniglot.com/writing/slovak.htm

2011年10月5日水曜日

た行の不思議

初めて五十音を習ったときのことを未だに覚えている。
覚えているくらい物心付くまで文字を知らなかったということだ。
言葉はたくさん知っていた。毎晩お母さんが沢山の本を読み聞かせてくれて、沢山のおはなしを語ってくれたから。
義務教育が始まる年齢まで、文字という軛の外で、音のみの言葉世界をがっちり構築させてくれた両親には感謝している。
初めて知る五十音図は整っていてとてもきれいだったけど、不思議なところもいっぱいあった。
-どうして『や』行は3つなの?
-どうして『は』行だけ丸がつくの?
-どうして『た』行はタ・ティ・トゥ・テ・トじゃないの?
3つ目の疑問はもちろん『た』行だけの問題ではなく、なんでサ・スィ・ス・セ・ソじゃないのかとか、なんでファ・フィ・フ・フェ・フォじゃないんだとかいろいろあって、かなり大きくなるまで私の頭を悩ませたわけだが、わけても『た』行は解せなかった。なにしろ仲間外れの文字(と、その頃は呼んでいた)が1行の中に2つも入っているのだ。
たちつてと
タチツテト
訓令式ローマ字表記だと
ta ti tu te to
ヘボン式ローマ字表記だと
ta chi tsu te to
キリル文字表記だとこんな感じ?
та чи цу тэ то
音素で表記すると
/ta/ /ci/ /cu/ /te/ /to/
国際音声記号(IPA)表記だと
[ta, t̥ʃi, tsu, te, to]

...最後の方テキトーだから間違ってたら誰か指摘してください。
とにかく、た行における「ち」と「つ」の異質ぶりったらないわけですよ。
なぜ?どうしてこうなった?
というわけで、もう少し細かく、「ち」と「つ」について「音」と「意味」の観点から考えてみようと思う。
気が向いたら。

ところで、田舎のお父さんの友達が、確か、
「舘伝人」
というペンネームを使っていた。
「達伝人」
だったかな。

2011年8月29日月曜日

うつつをぬかす

ある事に夢中になり、心を奪われる。「競馬競輪に―・す」
<<大辞泉

うつつ[現]
1 この世に現に存在しているもの。現実。夢・虚構などに対していう。「夢か―か幻か」
2 意識の正常な状態。正気。「―に返る」
3 《「夢うつつ」「夢かうつつか」などの形で用いられるところから誤って》夢とも現実ともはっきりしない状態。夢見心地。夢心地。「昨今の―は事実かも知れないと思った」〈漱石・草枕〉
4 現実に生きている状態。現存。死に対していう。
「―の人々の中に忍ぶることだに、隠れある世の中かは」〈源・手習〉
<<大辞泉

real vs virtual
リア充



夢(ゆめ) vs 現(うつつ)

現身(うつしみ)
現在生きている身。うつせみ。
「こうして―の女の肉に引きずられる執念は」〈石川淳・普賢〉
◆江戸時代の国学者が上代語の「うつしおみ」また「うつそみ」「うつせみ」の原形を「現し身」と考えて作り出した語。
<<大辞泉

現世 vs ...
(earth vs ...) Earth is not a shadow of heaven, but heaven a dream of earth.
( земной мир, мирская жизнь) Не земля - тень небес, но небеса - мечта земли.
<<Яндекс словарь

vs ...heaven??
vs ...前世、来世 (previous life, after life)


プラトン(Πλάτων, Plato)
εἶδος (eidos) vs ἰδέα (idea)

映す: reflect, mirror
写す: copy

2011年8月23日火曜日

のぞむ

ノストラダムスは未来に臨み、ノスタルジーは過去を望む。

2011年7月20日水曜日

サムライくんとナデシコちゃん

なでしこJapan優勝おめでとう!

ということですが、男子チームの『サムライJapan』に輪をかけて、『なでしこ』という言葉に違和感を覚えている人は多い様子。

私の勝手な予想としては、国際試合で、海外の人にも通じる日本語ともなれば『ハラキリ』『ゲイシャ』はさすがに不味いってくらいのことで、浮上してきた呼称なのかなという気がする。

それにしても、戦いを生業とする『サムライ』はまだしも、『なでしこ』とはこれいかに。女性を形容する単語であるということ以外、球技、戦い、スポーツマンシップ、チームワーク等々、女子サッカーから連想されるイメージとは全く被ってこない気がする。

同じく国際進出してる語なら『くのいち』の方がまだいいような...

というのはおいといて。
そもそも『なでしこ』って何かしら?って話である。

着物て黒髪オカッパの物静かな女性を直ぐにイメージしてしまうのは、中森明菜か、有閑倶楽部の白鹿のりこのせいであるが、どういう女性かといった定義は曖昧模糊としている。

大辞泉によると、
大和撫子
1ナデシコの別名
2日本女性の清楚な美しさをほめていう語

とのこと。
美しさ、というのは極めて曖昧な表現ではあるけれど、緑の中で真摯にボールを追う選手達の姿は確かに美しいなあ、と、納得がいく。

スポーツにおける美しさとはなんぞやいう問題はとりあえず今は考えないことにする。

さて、美しさはわかったが、今度は『清楚』が分からない。よく使う表現のような気がするのに、いまいちなんとも説明できない。

大辞泉
清楚
[名・形動] 飾り気がなく、清らかなこと。また、そのさま。

英辞郎
neat and clean
tidy

なんと、neat and cleanとは。これだと、清楚と言えば、日本全国の清掃のおばちゃんのことみたいだ。もちろん清掃のおばちゃんの中には清楚な人が沢山いるだろうが、それは彼女が清掃のおばちゃんであるからでは決してない。

しからば、清楚の髄はなんだろう。
ここで、単に清楚という言葉を検索してみるとヒットする文面の殆どが性的趣向を話題にしていることに気付く。

つまり、少なくとも現代においては、特にネット上では、清楚とは、飾り気がなく清らかであることによって性的な魅力を持つ女性を形容する言葉のようだ。

このように考えると、サムライもなでしこも、(同性愛的なことを考えに入れなければ)どちらも男性からの表現と言えるきがする。

ちなみにサムライは男性による男性のための美徳を形容する言葉であって、女性側からの視点ではない。

女性側からの形容はそもそも男社会の中で育った日本語の中には少ないのかもしれないけれど、近年では『ソフトマッチョ』とか『メガネ男子』『ヒゲ男子』とか、例を挙げればきりがないほどの繁殖を見せている。

しかしもちろん、昔からある言葉にも、女性目線で男性を評する言葉があるはずだ。

ここでばっと思い付くのがこれ。
『どら息子』

...どら息子の『どら』って何者?
もちろんドラえもんのドラでもドラゴンボールのドラでもありませんよね。

この、『どら』って息子以外にくっついているの、見たこと無いなあ。のら猫とかの『のら』と、関連付ける説もあるようですが、サムライと同じように社会的ボジションを背景に作られた言葉であるのに、全然雰囲気が違う。

社会的な責任を期待されながら、未熟である青年を、母親や近所のおばちゃんたちが暖かく見守っているような、そんな視点を感じさせる言葉だ。

社会的責任を期待されるのが息子ばかりではなくなった現代では、芝居のなかでしか聞かない言葉になりつつあるように思える。

一方、なでしこの説明から出てきた『清楚』ということば、男性目線から作られた言葉かもしれないけれど、『清楚な男性』とか『清楚な男』で検索しても思いの外ヒットするするのに驚いた。
自分はそのような表現を使ったことはないが、考えて見れば、知人の中にも、この形容が当てはまる人がちらほら。

言葉の使われ方は日々変わって行くのだなと実感させられる。

人間の細胞は三ヶ月を周期に全て入れ替わるので、三ヶ月前の自分と現在の自分とでは全くの別人であるというようなことを聞いたことがある。

言語にも同じことが言えるのかもしれない。無くなることもなくずっと使われてきて、同じ単語のように見えても、三ヶ月前と同じ意味で使われているとは限らない。
言葉も生きている限り変容し続ける。

今回のWC 優勝で、なでしこという単語に女子サッカーという意味が逆輸入されたことは間違いない。

すでに私は今日『なでしこギャル』という言葉を目にした。ここでいう『なでしこ』は清楚とかいう意味では勿論なく、サッカー好きのとか、サッカーのファッションを取り入れたというような意味のようだ。

このままさらにおしすすんで、なでしこという言葉が、サムライの男性美学を表すように、強く清く美しい女性の美学を表す言葉になっていったら面白いなあ、と思ったりして。

2011年7月16日土曜日

絶滅危惧語

漢字だけ見るとお経の一節みたいだなあ。
『キグゴ』ってなんか『ハグキ』みたいな響きだなあ。

今日は久し振りに会社の人達と二次会にまでかかる飲み会でした。本当に久しぶりだった。もともと週末なんてあって無いような会社だけれども、数年前に比べると金曜日の飲み会って、やっぱり減ったな、と思う。

そう考えてみると『ハナキン』て言葉も滅多に聞かなくなった気がする。

十数年前、週休二日制の導入によって土曜日が休日として扱われるようになり、突如脚光を浴びることになった花の金曜日、略して『ハナキン』。

土曜日一日潰しても、日曜もまだ休日。だから金曜日には、一週間の終わりを祝して、次の日潰す覚悟で遊び倒す。

そんなハナキンも、職種やニーズの多様化、経済状況の悪化から、民間企業の間では衰退の一途を辿っていた。

そんな時節に到来した、原発事故。使用電力の偏りを解消すべく、公共機関や大企業が休みの配置をずらしはじめた。

今の日本で、『土日はみんなでお休み』という感覚を共有し続けることは、ほぼ不可能だ。

『ハナキン』は今年一番使用の減る言葉の一つに違いない。

毎年の瀬には流行語大賞というものが発表され、大いに注目を集めるが、死に行く言葉が顧みられることはあまりない。

死語なんて言い方をするわりに、死んでしまった言葉はヒトのように弔われることも葬られることもなく、亡霊のように酒の席なんかをさ迷うだけだ。

滅びることも出来ないそんな言葉たちを、せめてレッドデータに加えていってはどうかしら。

今年認定の絶滅危惧語:

ハナキン

2011年5月30日月曜日

一旦

いっ‐たん【一×旦】
《「旦」は朝の意》
[名]
1 一度。「―は中止と決まっていた」
2 しばらくの間。一時。
「―の楽しみにほこって、後生を知らざらん事の悲しさに」〈平家・一〉
3 あの時一度。
「―の御心をそむき」〈曾我・七〉

[副]
1 ひとたび。一度。「―怒りだすと、手がつけられない」
2 ひとまず。一時的に。「―帰国する」

yahoo 大辞泉より

「一旦」を"Once"と訳すとおかしなことになる時がある!!
英辞郎からの例
一旦その施設に収容されて送還されるのを待ちます。
Detainees are kept in these facilities while they await repatriation.
〔【出典】Hiragana Times, 1998年5月号(株式会社ヤック企画)

この場合、「一旦」は、temporarilyみたいな意味になるのかな?
Onceを使う場合の例
一旦それを買い始めてしまえば、それをやめるのはとても難しい。
Once we begin to buy some of it, it's hard to stop it.

あるときに、なんらかの事象がおこり、それがずっと続く場合にはOnceを使えるが、それが一時的な事象である場合は使えない。
「一旦始めてしまえばずっと続けられる」という場合もOKで、事象がネガティブな内容なのかポジティブな内容なのかは関係ない。


日本語の「一旦」は、その副詞を使う節が仮定形であればonceと同じ意味になるが、それ以外の場合(順接の接続でつながる場合や、単文で使われる場合)temporarilyのニュアンスになる。

とっく

とっく【▽疾っく】
《「と(疾)く」の音変化》
[名]ずっと以前。とう。「―からここに住んでいる」
「―の前(さき)、何処かへ、すっ飛んで居るんですから」〈鏡花・婦系図〉

[副]
1 (多く「とっくに」の形で)ずっと前に。とうに。「食事は―に済ませた」
「―申し聞かせんずれども」〈浄・女護島〉
2 速やかに。急いで。

yahoo 大辞泉

Уже забыла когда была
сто лет назад
давным навно
Уже давно замуж...

2011年5月19日木曜日

突拍子もない

1. 突拍子もない→×「突拍子」が無い、○「突拍子」さえも無い。

2. 突拍子とは?
雅楽に使われていた表現らしい。。。

イメージとして、なにか突出した複雑で理解しがたいような、気持ち良く踊れないようなリズムっていうのがあって、そういうリズムさえも無いっていう感じかなと思った。
ロックとかジャズとかの、これ何拍子?とかどうゆうリズム?って感じの曲が「突拍子」で、
現代音楽とかのそもそもリズムが無い音楽が「突拍子もない」かなと。

しかし、そもそもリズムとか何拍子とかいう考え方は、そもそも雅楽で言うところの「拍子」とは全く別物なのではないかと想像した。雅楽の「拍子」という概念については、ほぼ全くno ideaなので、普段自分が使っている意味のリズムとか拍子ってものについておさらいしてみる。。。
あれ、リズムと拍子ってそもそも別のものなの?
英辞郎で調べると
拍子: beat, meter, takt, time
で、リズムの意味はない。
となると、rhythmの日本語訳はなに?調子か?
rhythm: リズム、調子、(韻)律
と、ここに来て考えるのは、調子とか律も雅楽の世界では意味合いが違うような。。。

眠い。五里霧中なので週末にもう一度考えよう。

2011年4月20日水曜日

あおうまの色

あおうま。
漢字で書くと、
「青馬」もしくは「白馬」。
以下、yahooの大辞林。

あお‐うま〔あを‐〕【青馬/白馬】

濃い青みを帯びた黒馬。青毛の馬。また、淡青色や淡灰色の馬。あおごま。

「水鳥の鴨の羽色の―を今日見る人は限りなしといふ」〈・四四九四〉

年初の節会(せちえ)の引き馬とする白馬、または葦毛(あしげ)の馬。

「春霞まづ引き渡る―をあしげなりとは誰(たれ)か見ざらむ」〈経信集〉

結局、何色なんだ…
そもそも、「あお」は色のことじゃないとか?「青春」とかのように、若さを計る表現だったりするのだろうか?

以下、語源由来辞典

http://gogen-allguide.com/a/ao.html

なるほど。ひらたく言えば、「白ではない色」ってことか。
白=無色と考えれば、青は単に「有色」という意味にとらえられなくもないのかな。
若さを計る表現は、色の意味から後々に派生したようだ。

2011年3月14日月曜日

ろく

『ろく』は実家の犬の名前である。5人兄弟の末児に飼われ、6番目の子という意味を込めてそう呼ばれている。

ところで、『ろくなことにならない』などと言う時の『ろく』なこととは、はたしてどのようなことなのか?意味から類推するかぎり、よいことのようだが。

『ろくでなし』という罵倒語もある。『ろく』でないことがそんなにまずいことなのであろうか。

禄という字は税金の一種だったように思うが、私達の世代に税金に対するよいイメージはあまりない。

2011年1月7日金曜日

心の底と腹の裡

心というものの形について
英語で"from the bottom of my heart"という決まり文句があることを最近知った。

日本語でも『心の底から』という表現があるわけで、心とういものの形について、『底』があるという共通認識がなんとなく面白い。

心の形と言えば、トランプに描かれる、心臓をかたどった、あの形が一般的だが、ここはそれを度外視して、言葉の表現から読み取れる心の形について考えてみたい。

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...なんて書いた数日後に、stingのshape of my heartをレンタルしたのは全くの偶然です。